「シンソウノイズ~受信探偵の事件簿~」評価と感想

「シンソウノイズ~受信探偵の事件簿~」の評価と感想

評価

ブランドAzurite
発売日2016年
ジャンルシナリオ系、ミステリアス系
総合評価A-
評価内訳音楽:B シナリオ:B 絵:A- 演出:A- キャラ:B システム:A- H度:B- 時間30h

あらすじ

大都会近郊のベッドタウンである静乃宮(しずのみや)。
都市側はそれなりに拓けており都会的なランドマークが多く、海側には豊かな自然が残っている。
この町の中央にある「静乃宮学園」では、スポーツ系の部員たちは近隣の大公園をランニングに使い、
帰宅部の面々は都会方面に繰り出して年齢相応の遊びを楽しむ、そんな放課後を送っている。

今年の春「静乃宮学園」に入学した橘一真(たちばな・かずま)は、他人の心象を受信する能力を持っていた。
他人の心が分かるといえば便利そうだが、「実際はどの意識が誰のものかわからない」
「対象が複数いると入り混じって受信する」という中途半端なもの。
生まれながらの能力ではあるが、完全に制御できるものではなく、
否応なしになだれこんでくる人々の意志に振り回されることもしばしば。
それでも日々制御する訓練を重ねつつ、なんとか人並みの学園生活を送っている。

「静乃宮学園」では、1年を通じて様々な行事を共にこなしていくグループ「行動班」を組む教育方針をとっている。
「気持ちのいいメンバーと楽しい1年を過ごしたい」という生徒たちの思いをよそに、メンバーは無慈悲にもくじ引きで決まる。

人付き合いの苦手な一真の元に集まったのは個性の塊の様なメンバーだった。
無口でクールな雪本さくら
天然でポケポケしている桃園萌花
快活で運動神経抜群の風間夏希
自称霊感少女の黒月沙彩
演劇部に所属する美女大鳥百合子
運動はできるが頭が弱い北上陽一
モテる事しか考えていない高永瞬太

8人はまとまることもなく、ただ同じ「行動班」であるという事で最小限の付き合いをしつつも行動を共にする。
そんな中、女子更衣室からの盗難事件が発生する。
これは、後に「受信探偵」と称される様になる、橘一真のはじまりの事件であった…。

曲名:シンソウノイズ 歌手:霜月はるか×Ceui

ギャラリー

●絵師:はましま薫夫 

キャラクター

感想

音楽:B

 OP曲からシンソウノイズの世界観に惹きこまれます。まず、歌詞やムービーと合わせてとても物語の雰囲気にあってる。特にムービーが凄い凝っていてアニメーションはもちろんのこと、物語の伏線までちりばめられてるそうです。また、Ceui×霜月はるかという豪華すぎるデュエットで二人の歌声を聞いてるだけで最高です。もちろんED曲も素晴らしかったです。最初はリズミカルなED曲はこの物語には合わないと思っていたが、何度も聞いてると癖になる感じが良かった。

シナリオ:A-

シナリオの流れは以下の通りです。
1章→2章→3章(清川√or風間√)→4章(黒月√)
         →5章(大鳥√)→6章(BADEND√)→最終章(雪本√or桃園√)
3章から各ヒロインに分岐していく感じ。章毎に各ヒロインを攻略するのがおすすめ。

・1章(体操服盗難事件)
→推理パートのチュートリアル的な感じ。雪本さんの死という、作品全体を通した謎が提示される。

・2章(園城寺家密室殺人事件)
→班合宿の訪問先で殺人事件が発生し、巻き込まれる話。犯人の選択が二人しかいないのでここもチュートリアル的な感じなのかな?って思いました。

・3章(鏡の中の少女)
→死んだ雪本さんそっくりな転校生でやってくるのと同時に殺人事件が発生する話。ここでは√が二つあり、雪本さんそっくりの転校生との√があるので最初雪本さんが死んでガッガリした方におすすめ。個人的には風間の方が主人公好き好きオーラ出てておすすめです。

・4章(受信探偵VS能力者)
→メイズという能力者組織にスカウトされるが、その組織で事件に巻き込まれる話。ここから推理に能力の項目が加わる。一応能力者の情報は事前にあるので、アリバイと能力を考慮して推理する必要がある。能力が増えたので少し複雑になって大変。黒月√では黒月が能力に理解があり、そこを踏まえて上手く付き合えてる感じが伝わってきて良かった。

・5章(演劇部の天使と悪魔)
→学園内での他の能力者の存在が示唆され不安が増す中、学園で事件が発生する話。大鳥√では正直あっさり終わったので少し残念。大鳥家とか深堀してほしかった…。

・6章(謎と罠と嘘)
→前に捕まえた犯人が復讐するため色々とギミックが仕掛けられたところを解決していく話。この章ではBADENDがあり、ここから推理パートの難易度が跳ね上がるので、細心の注意を払ってほしい。

・最終章(真相の深層へ)
→雪本さん殺害の犯人を推理し、真の黒幕と戦う話。雪本さんの犯人を選択する場面は、手が震えました。本当にこの人であってるのか?でも状況的にそうとしか考えられないし…のように逡巡しました。今までのプレイを通してキャラに愛着を持っていたことが分かりました。最後の戦いはちょっとご都合主義的な展開があったが、個人的にはこういう展開も有りなので良かったです。

この作品は設定からして秀逸。主人公は心の声が聞こえるが誰の声かまでは特定できないので犯人がこの中にいると分かっていても特定はできない。それを色んな人の証言と照らし合わせて犯人を特定してく過程がとても面白い。シナリオもしっかりと作りこまれており、推理パート上手い具合に絡んで物語進んでいくので常に飽きずに楽しめる。ミステリー好きにおすすめの作品です。

絵(グラフィック):A-

絵は特に塗りが凄い。質感を感じさせるレベル。また、キャラの表情が抜群に巧く、人物像と感情を雄弁に物語っていました。物語の雰囲気にもしっかりマッチしてて良かったです。

演出:A-

 演出は素晴らしかった。弛緩した空気、緊迫する瞬間、思考を巡らせる時、全てに合った物が用意されている。また、推理パートでも推理に欠かせない見取り図やギミック等を分かりやすく図解されていたのも良かった。

キャラ:B

 設定的には魅力的なキャラばかりだったが、キャラの人物背景などの深堀があまりされていない感じだった。正直出落ちキャラが多すぎです。過去や家族関係などのもっと具体的に書いても良かった気がする。ヒロインももう少し主人公を好きになった理由等詳しく書いて欲しかった。しかし、キャラ自体は魅力的なので、惜しかったです。

システム:A-

システムに関しては特に問題ない。ただ、シーンバック機能があると便利だった気がする。推理パートで過去の会話は見返すことが出来るので問題ないが。あと、エンディングリストがあるのが良かった。

H度:B-

正直絵は最高でエロいが、シチュエーションが個人的に好きではなかった…個人的にはイチャラブHが好きなので、そのシチュエーションが少なすぎるのが残念。多分の他の人が評価したらもっと高いと思う。

プレイ時間:35h

プレー時間は約35時間。各章3~4時間ぐらいで各ヒロイン1~2時間ぐらいのイメージ。推理パートをしっかり楽しみたい人は各章+1~2時間ぐらい。

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