「シルヴァリオヴェンデッタ」評価と感想

「シルヴァリオヴェンデッタ」評価と感想

評価

ブランドlight
発売日2015年
ジャンルシナリオ系、バトル系、ダーク系
総合評価A-
評価内訳音楽:B シナリオ:A- 絵:A- 演出:A キャラ:A システム:A- H度:B 時間25h

あらすじ

西暦2578年──その年、世界は崩壊した。

それはやがて訪れる近未来。
化石燃料の枯渇が叫ばれ始めた時代、
各国が数少ない資源を奪い合う中で日本は未知の素粒子‘星辰体(アストラル)‘の発見に成功する。一躍エネルギー問題解決へと踏み出すがしかし、日本の一国台頭を認めない各国は新技術の奪い合いへと乗り出した。
第五次世界大戦の勃発である。

開かれる戦火。世界全土を巻き込んで激しさを増す争いの中、人類最大の大戦はやがて予想外の顛末へと突入した。

星辰体(アストラル)を用いた新型の動力炉が暴走──
高位次元への急激な干渉から、大規模な空間震災が発生──
爆心地である日本、ユーラシア大陸の東半分と共に消滅──

そして、第二太陽(アマテラス)の誕生により急激な変化を起こした地球環境。
電子回路の死と共に文明の維持は不可能へと陥り、地球に深い爪痕を残した勝者なき戦争は静かにその幕を閉じるのだった。

そして──人々が復興と停滞を反復しながら約1000年。

時は新西暦1027年
──かつて起こった大破壊(カタストロフ)を境に旧西暦と区分されてから、およそ十世紀。旧・西ヨーロッパ地方に位置する軍事帝国アドラー、その首都は史上稀に見る未曾有の災禍に襲われていた。

燃え盛る街並み。
噴出する血と悲鳴。

底なしの絶望が渦巻く地獄のような光景にて、それを生み出した二体の異形は静かに男へ問いかけた。

怪物は語る。おまえの運命を試してやると。
英雄は挑む。我が宿命を見くびるなと。

星辰体(アストラル)の恩恵を受け、激突しあう両者の死闘は筆舌に尽くしがたく。
ゆえに伝説へと高じ、涙と悲劇を土台にしながら英雄譚を作り上げた。

それがあまりに凄まじく、雄雄しく熱く、胸を焦がすものだから……
ゼファー・コールレインは思うのだ。

あんな強さに自分はとてもついていけない──近づきたいとも思わない。
そして、だからこそ逃げ出した。

遮二無二構わず、一心不乱に。

続けて願った。

勝利を目指して傷つくことなく、当たり前に生きて死のうと。

たった一人、救い出した少女に誓い、彼はすべてに背を向けたのだ…

ゆえに、これは英雄(ヒカリ)の物語ではない。
これは敗者(ヤミ)の物語。

一度逃げ出した男が自分の星を取り戻すべく、足掻き抗う物語である。
それを導くは死に包まれた少女の囁き。冥界の底で死想恋歌(エウリュディケ)は吟遊詩人(オルフェウス)へと愛を告げる。

「──‘勝利‘からは逃げられない。さあ、逆襲(ヴェンデッタ)を始めましょう」

曲名:アストラル 歌手:カサンドラ

ギャラリー

●絵師:KeG、夕薙 

キャラクター

ゼファー・コールレイン CV:ルネッサンス山田
やる気なし、金なし、職業なし。三拍子そろった本作の主人公。やる時にはやれるポテンシャルは備えているものの、追い込まれない限り本気を出さないという悪癖を持つ。反面、性格に似合わぬ戦闘力は過去の熾烈な経験に裏打ちされたもの。とりわけ暗殺、奇襲、一撃必殺に対して偏った適正を備えている。大虐殺時に脱走したため存在が帝国にバレることを極度に恐れつつ、妹のミリィとささやかな日常を過ごしている。おかげでわりとシスコンに。
過去にヴァルゼライドの戦闘を見たことで“英雄”とは怪物の同義語であると悟ったためか、自己評価が非常に低い。
「うわ、なんというスパルタ。未来の儲けは儲けじゃないと申すとは」

ヴェンデッタ CV:木村あやか
とある事件においてゼファーとの邂逅により目覚めた謎の少女。愛称はヴェティ。出自、目的、行動理念のすべてが不明であり、意味深な問いかけや不可思議な言動で周囲を煙に巻くことが多い。極めて捉えどころのない性格をしているが、決して嫌な人間ではなく、外見にそぐわないまるで母親じみた面倒見の良さを覗かせる場面も。ゼファーには一見辛辣だが、その実好意的な感情を見せている。しかし当の彼は彼女を強く忌避しており、何故か多大な恐怖を感じている。
なお、ヴェンデッタという名前はあくまで自称。
彼女を知る者たちからは“死想恋歌”とも呼ばれているようだが、はたして……
「──“勝利”からは逃げられない。さあ、逆襲(ヴェンデッタ)を始めましょう」

ミリアルテ・ブランシェ CV:遠野そよぎ
ゼファーと共に暮らしている彼の妹。愛称はミリィ。
性格は気丈で温和。家事万能で家族想い、気立ても良しと、年齢に似合わず非常に器量が良い。そして兄に仄かな恋心を抱いている。奏鋼調律師の卵で、通常の鉄鋼業技術者とは一線を隔するほど非常に優秀。ただし、専門知識を語らせると止まらなくなるという一面も。
ジンを師と仰ぎ、彼の工房で日々修行中。今は過去の傷を乗り越えて充実した毎日を送っている。ゼファーを兄と呼び慕っているが二人に血縁上の繋がりはない。
「兄さんのプレゼントは、それだけで一生の宝物だもん」

チトセ・朧・アマツ CV:民安ともえ
帝国軍の象徴たる黄道十二星座部隊が一つ、第七特務部隊・裁剣天秤の隊長を務める女傑。帝国最高峰の星辰奏者。
日系の血を色濃く継いだ貴種の一人でもあり、特権階級の出身ながら不断の努力を好む。いわゆる“堅実な天才”。
卓越した戦闘技能はそれら意志力で獲得したものであり、才能に胡坐をかいた者では鎧袖一触されるのみ。
だが厳然たる能力主義のためか、野心家という側面も。己が成すべき使命のためには現総統への背信も辞さない覚悟がある。そのためアオイとは従姉妹という関係ながら常にその動向を警戒されている。五年前の大虐殺では離反した相棒との一戦により、生涯唯一の敗北を喫した。その際に右目を喪失した。
「おまえのすべては五年前から私のモノだよ、ゼファー」

クリストファー・ヴァルゼライド CV:Mr.デリンジャー
軍事帝国アドラー第三十七代総統。生ける伝説。
彼を現すは一言、「英雄」。帝国最強にして始まりの星辰奏者であり、マルスとウラヌスを単身撃破したことで大虐殺を収束へと導いた。生得的な才能自体は劣等だが、驚異的な精神力、常軌を逸する鍛錬で会得した戦闘力は、他の追随を許さない。帝国の黄金時代を支えるべく、彼は今日も誰かのために戦い続ける。壊れるまで、砕け散るまで、それが“勝者”の責務ゆえ。現在、スラムという最底辺層出身ながら総統の椅子へと座った、帝国史上唯一の人物。
「“勝つ”のは俺だ」

マルス-No.ε CV:戸塚和也
鬼面を纏った正体不明の怪物。ウラヌスと共に大虐殺を生んだ張本人にして、星辰奏者をも上回る鋼鉄の星辰体運用兵器。千年前に滅んだ“鬼”を連想させる姿をしており、カンタベリー聖教国で製造されたと推測されているものの、真相は未だはっきりしていない。かつて絶大な暴力により帝都の一角を地獄へ変えた。
口調は姿に似合わず、基本的に冷静、かつ理知的。高い教養が伺えるかと思えば享楽的な振る舞いを演じるなど、真意を読み取るのが非常に困難。五年前にヴァルゼライドの手で討ち取られたはずだが、しかし──
「見極めなければならんだろう。あんたも、そしてオレたち自身をも」

ウラヌス-No.ζ CV:真中海
素顔を仮面で隠した正体不明の異形。マルスと共に大虐殺を生んだ張本人にして、星辰奏者をも上回る鋼鉄の星辰体運用兵器。冷酷にして傲岸不遜な性格。常に侮蔑して見下した態度を崩さない。彼女の前に立つことはそのまま死に直結するだろう。女性型、人間に近い外見のためか美麗ですらある。随所に和風の意匠を施されているなどマルスと共通する部分も多い。
過去にヴァルゼライドから苦渋を味わわされたらしく、深い憎悪を抱いている。マルスと同様、五年前に共々討ち取られたはずだが、しかし──
「せいぜい足掻け、余興は終わり」

感想

音楽:B

OP曲「アストラル」はとても物語にマッチしている曲。バトル系のOP曲によくある疾走感ある曲とは違い、一つ一つの歌詞を大事にしてる感じ。ダークな感じも物語に合っていた。ただ、戦闘シーンで流れるのはちょっと合わないなーと思った。

シナリオ:A-

シナリオは以下の通りです。
共通√→ミリィ√orチトセ√→ヴェンデッタ√
個人的にはミリィ√から始めるのをお勧めする。

・ミリィ√
→主人公が普通の人間として生きることを決意する√
優しく兄想いで、家庭的な女の子。主人公を陰ながら支えて想い続けてるところが良かった。

・チトセ√
→主人公がチトセの牙として生きることを決意する√
チトセの普段は戦闘能力も高く、野心家で権謀術も心得ている隙が無い職業軍人だが、主人公に対して一途な愛を捧げているところがギャップ萌えで良かった。戦闘でも主人公と相棒のように戦って支えておりそこも良かった。

・ヴェンデッタ√
→主人公が逆襲者(ヴェンデッタ)を目指す√
これまでの複線が回収される√で、最終的にラスボスと戦かったり、過去のトラウマを克服したり、ヴェンデッタの正体判明する√である。ヴェンデッタは毒舌を吐く幼女体型キャラでありながら、主人公を時折母性的に見守ってる感じなキャラでした。正直キャラとしてはあまり好きではないが、戦闘では主人公と協力してラスボスを倒すところ等最高でした。

王道の物語ではなく英雄に逆襲する物語となっている。光と闇がぶつかり合う熱いバトル。敵が光っていうのも斬新で面白い。英雄のご都合主義をなんとかして打ち倒すのも良かった。だからといって敵である英雄もとても魅力的なキャラとなっているのでとてもおすすめ。

絵(グラフィック):A-

 戦闘シーンの作画が最高に良い。星辰体(アストラル)とい異能と力でバトルするが、描写が細かく、CG枚数も沢山あるので、違和感なく戦闘シーンを楽しめた。

演出:A

 lightの燃えゲーの見所の一つである詠唱シーンが最高。真の能力を顕現させる際に、それぞれの人物の渇望を表現するシーンであり、キャラクターの本質を唱える台詞をカッコよく表すと共に、声優さんがキャラクターになりきって感情をのせて渾身に演じるため、とても印象に残こる。特に、主人公とヴァルゼライドの詠唱が最高にカッコいい。

キャラ:A

 本作品は魅力的なキャラクターが多い。まず、主人公であるゼファーだが、一度挫折し逃げ出し怠惰に生きているといったようにどこか人間味のある主人公で、どこか親近感を感じました。しかし、物語が進むにつれ主人公が覚悟を決め、前に進んでいく様子は胸が熱くなります。また、敵キャラであるヴァルゼライドだが、男でも惚れるぐらいのカッコよさで、目的のためにあらゆるものに優先される彼の理想の強さや、しっかりと取捨選択出来る偽善者気取りじゃないところ等、魅力的なところが多々あり最高だった。他にも、ルシードやアスラといった魅力的なキャラもいるのでおすすめです。

システム:A-

システムに関しては特に問題点はない。ムービー鑑賞が出来る点がよかった。この作品は戦闘シーンのムービーが多いので見返したいときにおすすめ

H度:B

Hシーンは各キャラ3人×2シーンと少なめ。また、戦闘シーンの作画に比べてちょっと微妙だった。正直おまけ程度に考えると良いかも。

プレイ時間:25h

プレー時間は約25時間。共通10時間の各ルート5時間ぐらいで終わる。プレイしていてもダレることなくちょうどいい感じ。

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