「穢翼のユースティア」評価と感想

「穢翼のユースティア」の評価と感想

評価

ブランドAUGUST
発売日2011年
ジャンルシナリオ系、バトル系、ダーク系
総合評価A
評価内訳音楽:A シナリオ:A 絵:A- 演出:A キャラ:A- システム:B H度:A- 時間:40h

あらすじ

悲劇は往々にして不条理なものだが、これほど不条理という形容がしっくりくる悲劇もなかった。

その日、この都市の一角が多くの人命と共に大地へと崩落した。
性別、年齢、人間性、地位、経済力……
犠牲者に一切の区別はなく、ただそこにいたという一事だけが、彼らの命を奪った。 なぜ死なねばならなかったのか。
無数の死に何の意味があったのか。
答えはなく、残された人々に与えられたのは、輪郭のない茫洋たる喪失感だけだった。 後に大崩落(グラン・フォルテ)と呼ばれる悲劇だ。
あれからずっと、この都市「ノーヴァス・アイテル」には不条理の雨が降り烟っている。 上層から下層へと、都市を濡らした水は低きへ流れ、やがて牢獄に聚まり澱む。
嵩を増す汚水を取り除く術もないまま、囚人たちはただ喘ぐ。

いつの日か、この都市「ノーヴァス・アイテル」に陽が差す時が来るのだろうか。

●曲名:Asphodelus 歌手:Ceul 

ギャラリー

●絵師:べっかんこう  

キャラクター

カイム・アストレア  CV:大石恵三
本編の主人公。「大崩落」ですべてを失い牢獄に流れ着いた男。受けた傷痕は未だに癒えず、その胸の奥で赤い雫を滲ませている。幼少の一時期は娼館「リリウム」の下僕として酷使されるも、「不蝕金鎖」の先代に運動能力を見込まれ、命をひさぐ仕事につく。以来、牢獄の泥の中で刃を振るい続け、ただ己が生のために他者の命を糧としてきた。先代の死を機に暗い仕事からは手を引いたが、いまだ彼の周りから血の匂いが消えることはない。

フィオネ・シルヴァリア  CV:橘桜
身長:162.6cm  体重:48.9kg  血液型:O型
「羽化病」が発症した人を半ば強制的に治癒院へ送るために作られた組織「羽狩り」。その牢獄地域を担当する部隊の隊長を務めている。羽狩りの持つ社会的な意義を信じて仕事に打ち込む真面目な性格。娼館街などには嫌悪感を持っており、それが元で主人公たちと衝突する。剣の腕にも覚えがあり、訓練などには労を惜しまない努力家でもある。一方プライベートの面では綺麗なものやかわいいものを好む女性らしい面も。ただ融通が利かないところがあり、周囲とぶつかることも多い。 それを本人も自覚しているのが救い。

エリス・フローラリア  CV:篠宮聖美
身長:158.8cm  体重:46.3kg  血液型:B型
娼婦になりかけのところを主人公に身請けされた女。娼館街の医者を生業としており、その腕前は娼婦たちに高く評価されているが、医者は副業で本業は主人公の妻だと個人的に強く主張している。残念なことに患者への愛情と家事能力はかなり足りていない。性格はドライで面倒くさがりだが、主人公の怪我を治療することには並々ならぬ情熱を燃やす。死ねと言うと本当に死にかねないので、発言には注意が必要。 主人公曰く、
まず自分の頭を治した方がいい女。

聖女イレーヌ  CV:遠野そよぎ
身長:155.3cm  体重:42.7kg  血液型:A型
第29代聖女イレーヌ。 大崩落の責任を取って処刑された先代聖女に代わり、祈りの力でノーヴァス・アイテルを空に留めている。民衆の前に姿を現すことはごく稀で、聖堂の奥にある聖域で、人生を祈りに捧げているという。光を失っていることから「盲目の聖女」と呼ばれ、民衆からの人気は絶大である。人柄はごく一部の人間にしか知られていないが、純粋で論理的。シニカルな物言いをするので、きつい性格と取られることが多いようだ。

ラヴィリア  CV:桐谷華

聖女イレーヌと共に聖域で暮らし、身のまわりの世話をするほか、聖堂の神官たちとの連絡役も務めている。聖女が現在の地位に就く以前からの知り合いで、現在でも関係は緊密。性格は穏和で実直だが、長い時間を聖域だけで過ごしてきたこともあり、世間知らずで純粋すぎるところがある。

リシア・ド・ノーヴァス・ユーリィ  CV:海老原柚葉
身長:146.0cm  体重:37.7kg  血液型:AB型
家の第一王女で継承順位は一位。 実父である現王が病に伏せっているため、代理として政務を執り行っている。まだ戴冠の儀を行っていない彼女を「無冠の女王」と揶揄する貴族もいるようだが、本人はまったく気にしていない様子。明瞭で活力に溢れるが、育ちの良さ故か打たれ弱い一面も。王家の人間にしては世俗への関心が強いようで、召使いから炊事や裁縫などの仕事を奪っては迷惑がられている。

ユースティア・アストレア  CV:森保しほ
身長:149.6cm  体重:39.1kg  血液型:A型
背中に羽が生える病、「羽化病」に冒された少女。 とある事情で主人公が引き取ることとなる。生みの親も育ての親もなく、物心ついた頃から下級の召使いとして使役されてきた。辛い人生を送ってきた割に、性格は明るく朗らかで、周囲を和ませてくれる。主人公に言わせれば、脳味噌に向日葵が群生しているような女。今までの人生経験により家事全般にそつがなく、主人公の世話を一方的に見ていたエリスには目の仇にされる。

感想

音楽:A

OP曲「Asphodelus-アスフォデルス-」が名曲。導入部のコーラス、サビに向けての盛り上がり方、Ceuiさんの声質に合った美しいサビ、どれをとっても素晴らしい曲。OP画像と一緒に聞くと鳥肌ものです。作品プレイ後に改めて聞くと泣けてきます。

シナリオ:A

シナリオの流れは以下の通りです。
フィオネ→エリス→コレット&ラヴィリア→リシア→ユースティア
基本的に順番に進むので問題ない。ストーリ内容的に順番に進めていくのがおすすめ。 

 プレイして早々世界観に、世界観に惹かれました。世界観が独独でそれでいれ緻密に練られていたので違和感なく受け入れられた。ダークな感じが個人的には好きだった。
 また物語が進むにつれ、物語の舞台が変化し、主人公の立ち位置も変化していったので飽きずに楽しむことが出来た。また徐々に解明していく世界の秘密…途中から演出も相まって続きが気になりすぎてしまいぶっ続けでプレイしていた。
 あと賛否両論ですが、主人公であるカイムがカッコよくいい味を出してた。ただ、最後のユースティア√での葛藤っぷりが受け入れられない人もいますが個人的には完全無欠の主人公よりも人間味のある主人公の方が好きなのでそんなことはなかった。ヒロインの方も満遍なくいいキャラ達です。各ルートに入ってからのストーリーも濃かった為どのキャラも楽しめた。ただ、ユースティア√をクリアするころには他のキャラの印象が薄れてしまっていた。最後が強烈だったためしょうがないですが…
 総評してシナリオは言うことなしです。またシナリオ自体王道なので誰にでもお勧めできます。

絵(グラフィック):A-

個人的にべっかんこうさんの絵は好みなので評価が高めです。なんといかキャラに質感があるのでそういうところが好きなのかもしれません。また、背景が緻密に描かれていて良かった。それにより世界観を具体的にイメージすることが出来たと思う。

演出:A

ユースティア√に近づくにつれ世界の真実に近づいていくシナリオとそれに伴って変化する主人公の立ち位置、最後の終わり方(←賛否両論)すべてにおいて素晴らしく、どんどん物語に引き込まれていった。特に各ルートに移る時の演出が良く、続きが気になりすぎてクリックが止まらなかった…。

キャラ:A-

まず主人公の設定がしっかりと作りこまれており、声も入ってたのが良かった。正直男キャラの方が魅力的に見えてくるぐらい主人公も他の男キャラも良かった。
ヒロインの方も個別√に入ってからも重厚なストーリーがあり、どのヒロインもメインヒロイン並みの濃さだった。ただ個別√に入ると他のヒロインが全く出てこなくなるのは寂しいと感じた。

システム:B

豊富なコンフィグ項目に加え、マウスジェスチャーまで完備しており言うこと無しです。また、AUGUST恒例の全√攻略後のタイトルロゴが良かった。このまま続けてほしい(笑)

H度:A-

べっかんこうさんの絵は質感があってとても良いです。また、サブキャラまでもHシーン完備だったのもポイント高い。

プレイ時間:40h

プレー時間は約40時間。個別√入ってからも4時間以上のボリュームがあるのでちょい長め。しかし、長いと感じないほどのシナリオの良さだったので気にならなかった。

コメント

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