「シルヴァリオトリニティ」評価と感想

「シルヴァリオトリニティ」評価と感想

評価

ブランドlight
発売日2017年
ジャンルシナリオ系、バトル系、ダーク系
総合評価A-
評価内訳音楽:B シナリオ:A- 絵:A- 演出:A キャラ:A システム:A- H度:B 時間30h

あらすじ

新西暦1035年──
軍事帝国アドラー東部、国境線上に位置する古都プラーガは
複数の勢力が混在する最前線の火薬庫として存在していた。

領土と資源を巡り衝突を繰り返している隣国、アンタルヤ商業連合国。
旧日本国から転移した建造物により、プラーガを聖地と崇めるカンタベリー聖教皇国。
そして軍事帝国アドラーからは黄道十二星座部隊(ゾディアック)が一つ、第六東部征圧部隊・血染処女(バルゴ)。
並びに第八東部駐屯部隊・猟追地蠍(スコルピオ)。
軍事的、経済的、宗教的理由から相容れない三国は表向き停戦条約を結びながらも、
水面下で己が覇権を握るべく静かな暗闘を続けていた。

いつ崩壊してもおかしくない仮初の均衡と平和。
絶妙なパワーバランスにより生み出された硬直状態の中、
停滞した状況に一石を投じるべく血染処女(バルゴ)隊長であるギルベルト・ハーヴェスは、
星辰奏者(エスペラント)のみを集めて結成した実験小隊を発足する。
それはまさしく、星辰体(アストラル)の恩恵を受ける選ばれた者たちのみで構成された特務部隊であり──
その中には、新たに配属された新米星辰奏者(エスペラント)アシュレイ・ホライゾンの名も存在していた。

幼き過去、英雄(ヒカリ)に救われた青年は自分もまた誰かを救える者に成ろうと、瞳に未来を映して進む。
光のために。未来のために。自分以外の誰かのために。
今度こそ、少女を守り抜くために。明日を目指して駆けるのみ……

だからこそ──運命は彼を射止めた。

汝は生贄、光の奴●。
前へ、前へ、前へ、前へ。自壊しながら羽ばたく蝋翼(イカロス)、太陽へと墜ちるべく命と絆を燃焼しながら狂ったように飛び続ける。
ゆえにそれを止めるべく死想冥月(ペルセフォネ)もまた叫ぶのだ。
おまえの罪業を取り戻せと。すべての救いはそこに在ると。
今度は私が救ってみせると、涙ながらに激突する。

噛みあわない運命、激突する過去と未来──【贖罪】と【再生】。
加速する運命を睥睨しながらただ一人、銀の冥狼は吐き捨てた。

「狂い哭け、おまえの末路は【英雄】だ」

曲名:天翔ケル蝋ノ翼、狂イ哭キテ焔ニ堕ツ 歌手:佐咲紗花

ギャラリー

●絵師:KeG、夕薙、六時

キャラクター

アシュレイ・ホライゾン CV:佐和真中
第六東部征圧部隊・血染処女(バルゴ)に新しく配属された新米星辰奏者(エスペラント)である、本作の主人公。愛称はアッシュ。真面目で実直、加えて努力家。つまり至って健全な精神と倫理観を兼ね備えた好青年だが決して堅物というわけではなく、互いの意見を聞き入れた上で双方に納得のいく答えを出す柔軟性も持っている。
ただ突発的な事態や女性関係には滅法弱く、特にラッキースケベな展開に遭遇すると極端に狼狽して醜態をさらしてしまうことも。
「誰もが正道を歩めるように。 その確かな道筋を俺は作ってみたいんだよ。」

レイン・ペルセフォネ CV:奏雨
ある事件をきっかけにアッシュと遭遇し、結果として刃を交えることになる謎の少女。あらゆる損得を抜きにしてアッシュに関わりを持とうとするなどその行動には多々、不明な点が散見している。アッシュを救うためならばレインは微塵も躊躇わない。異形の存在であるケルベロスと何か関係があるようだが、その真実は──
「過去は何より大切だろ? 積み重ねてきた思い出が心を形作るんだからさ。」

アヤ・キリガクレ CV:立花沙羅
アッシュ、グレイを加えた三人小隊(スリーマンセル)の一員。
立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花。おしとやかな品のある話し方からいじらしい行動まで、旧暦における大和撫子という概念をそのまま切り抜いたかのような少女である。そのため貞操観念も相応に強いはずだが、なぜか初対面のアッシュには明らかに強い好意の窺える献身的な態度で接している。
「今度こそあなたの御傍にいさせてください。」

ミステル・バレンタイン CV:手塚りょうこ
見目麗しい華やかな外見と、竹を割ったような明朗快活さを持つ大人の美女。非常に社交的な性格であり、そのため職務が関わらなければアッシュやレインなど所属の違う面々にも
フレンドリーに対応してくるなど、些事に拘らない懐の広さを持っている。
なお、実はかなりの酒好きであり、酔えばオヤジくさく同性相手にセクハラを繰り返すなど残念美人な一面も。
「お姉さんに任せなさい。これでも私、凛々しい騎士兼シスターよ?」

ケルベロス CV:ルネッサンス山田
“銀の冥狼”と呼称される常に狼面を被った正体不明の異形。
ある現象がきっかけとなり現出した存在で、驚異的な星殺しの異能を宿した怪人物。その力は反星辰奏者(アンチ・エスペラント)とも言うべき代物であり、彼の繰り出す反粒子はあらゆる星を駆逐してその輝きを終滅させる。
疑いなく、全星辰奏者(エスペラント)の天敵。本来なら遭遇が死に直結するレベルの怪物なのだが、本人は荒事を嫌っているのか出来る限り戦闘を回避しようとしている部分が唯一の救いと言えるだろう。
「狂い哭け、おまえの末路は“英雄”だ。」

ギルベルト・ハーヴェス CV:佐藤涼樹
徹底した能力評価主義者であり、実力のある相手には部下や敵対者であろうと敬意を払う公明正大な好漢。
そのため人望も厚く、戦火の絶えない東部戦線において帝国側の勢力が瓦解しないのは彼の手腕によるところが大きい。
故人である第三十七代総統クリストファー・ヴァルゼライドを今でも深く尊敬しており、そのためか不断の努力を何より好む傾向がある。
日々前進しようとする人間へは助力を惜しまないため、アッシュの気質を非常に好ましく思い特に目をかけている模様。
「嘆かわしい、これでは勝者が哀れだろう。」

ファヴニル・ダインスレイフ CV:ほうでん亭ノドガシラ
商国で活動する悪名高い傭兵団“強欲竜団(ファヴニル)”を統べる頭領。帝国アドラーの英雄クリストファー・ヴァルゼライドの手により新西暦1016年に壊滅した巨大麻薬組織ニルヴァーナ……その数少ない生き残りが彼である。複雑怪奇な執念の赴くまま、現在に至るまで帝国へ不利益をもたらすべく戦場へ姿を現している。
「そう、英雄が魔剣(おれ)を生み出した。 邪竜(おれ)を討ち取り奴はこの世に生まれたのだからッ。」

グレイ・ハートヴェイン CV:村野住人
アッシュ、アヤを加えた三人小隊(スリーマンセル)の一員。
悪ガキがそのまま成長したかのような性格であり、基本的に享楽的かつ楽観的な生き方をよしとするノリこそすべてという青年。すなわち、気持ちのいいお馬鹿。
無類の女好きで、女性を見れば口説かずにはいられないという悪癖を持つ一方、一応プレイボーイの作法は心得ているため決定的な間違いは犯さない。
「とりあえず口説く! まず話はそれからだろうがッ。」

感想

音楽:B

OP曲「天翔ケル蝋ノ翼、狂イ哭キテ焔ニ堕ツ」は疾走感あり、戦闘シーンで流れたりするととても熱くなる。歌詞もまさしくトリニティのためにあるようなもので「蝋の翼広げ~」とか最高。レイン√やグランド√の最後の戦闘シーンで流れたのが良かった。

シナリオ:A-

シナリオは以下の通りです。
共通√→レイン√orアヤ√orミステル√→グランド√
ヒロイン全て攻略後グランド√が解放される。個人的にレインは最後に攻略したほうが良いと思う。シナリオ的に前作のヴェンデッタのプレイは必須。

・ミステル√
→ミステルやケロべロスと協力して、ダインスレイフを討つ√
ヒロインの中でお姉さん的立ち位置で、金髪巨乳残念美人。主人公の前だとお姉さん振るところが可愛い。敵であるダインスレイフも強くなるためなら何でもやるところが、変に理由なく強いキャラより個人的に好きなので良かった。

・アヤ√
→主人公が自分の正体に気づき、黒幕であるギルベルトを討つ√
主人公を一途に想っていて、物語の途中で主人公が自分の正体を知って絶望するときも支えるところが良かった。黒幕であるギルベルトもキャラが立っており良かった。ヴァルゼライドを崇拝する描写が色濃く出ていて読みごたえがあった。

・レイン√
→レインと共にケロべロスを倒す√
過去の話でレインの主人公への想いの強さが伝わってくるのが良かった。あと月天女の姿や踊り子の姿になった時恥ずかしがるところ等可愛いくて良かった。ケロべロスvs主人公はお互いなぜ戦うのか、お互いの考えを理解しながらも戦っているのが切なくもあり、熱かった。

・グランド√
→主人公と師匠の師弟対決、主人公と英雄による光と闇のぶつかり合い√
この√は熱くなるシーンが多くあった。主人公に対して命を削って師弟対決を最後の最後まで指導するシーンとか感動した。また、英雄のバトルでは主人公が覚醒し、前作の星辰光の能力を使って戦うところ等めちゃくちゃ熱くなった。あまり、詳しく書くとネタバレになるので気になる方はプレイしてください。

 今作の舞台となる街は三国が睨み合う三つ巴の状況で、その上にどの組織にも所属しないケルベロスの存在や、同勢力内での睨み合いがあったり、複雑な情勢の中物語が進んでいくところが面白かった。また。ヒロイン三人は所属する勢力が違うため、それぞれの√での展開も大きく違うので、最後までダレること一気にプレイすることができた。また、主人公覚醒も√ごとに違うのも良かった。
 ヴェンデッタとトリニティ、二作続けて合わせて50時間以上かけてプレイしてきましたが、面白すぎて正直一瞬でした。これらの作品は二作で一作品と言えるぐらい、続けてプレイしたほうが良いです。前作を知ってることにより、より面白く熱くなれます。是非、気になった方はどちらもプレイしてみてください。

絵(グラフィック):A-

 グラフィックはボリュームだけでなくクオリティ面も文句無しで、戦闘シーンの素晴らしさは演出だけでなく、豊富なCG(全体の約6割が戦闘シーン)による部分も大きかった。

演出:A

 戦闘シーンのグラフィックはもちろんのこと、BGMや効果音、エフェクト等といった演出も素晴らしい。前作同様詠唱シーンも最高だった。レイン√とグランド√の最後の戦闘で主人公が覚醒するシーンでボーカル付きでBGMが流れる演出とかめちゃくちゃ興奮した。

キャラ:A

 本作品もやはり魅力的なキャラクターが多い。英雄に憧れる主人公が確固たる信念を持っているのは勿論だが、それ以外のキャラもしっかりとした価値観を持っており、それぞれのキャラクターの思惑や思想が複雑に交錯しぶつかり合うのが面白かった。
バトルモノを盛り上げるのに必須の魅力的な敵キャラもしっかりと登場し、しかも単純でわかりやすい悪役ではないので、それぞれの主張のぶつかり合いが燃えるものになっていた。前作のキャラも登場するので前作ファンからしたらそこも嬉しい。

システム:A-

システムに関しては特に問題点はない。ムービー鑑賞が出来る点がよかった。この作品は戦闘シーンのムービーが多いので見返したいときにおすすめ。

H度:B

Hシーンは各キャラ3人×2シーンと少なめ。ただ、今作は性行為がストーリー上で重要な役割となっており、「性行為=英雄としての資格を喪失」となり、主人公はヒロインとの性行為の後に英雄としての資格を失い、新たな壁にぶつかることになるのが面白いと感じた。

プレイ時間:30h

プレー時間は約30時間。共通10時間の各ルート5時間ぐらいで終わる。展開が常に動きまわるので飽きることなく楽しめた。特にレイン√とグランド√は一瞬だった。

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